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私の主張(既掲)」から御覧ください。
憲法改正をどう進めるか(10月9日)
ここに来て、「憲法改正」の政治課題としての優先順位が上がってきました。決して今までもおろそかにしていたわけではないのですが、国際政治が冷戦の終結以降再び緊迫してくる中で、安倍政権においては、安全保障面の制度的充実を図るため、国家安全保障会議の改組、特定秘密保護法の制定、安全保障法制の整備などにまず注力してきたのです。その際、ある程度予想されたことではありましたが、安保法制において集団的自衛権の限定的認容の議論の開始に伴い、野党との間ではその合憲性の議論が行われるようになったのです。
一部野党は、「憲法違反の安保法制を進める安倍政権の下では、憲法改正はできない。」と主張し、憲法改正の議論を拒むようになりました。与党側は、「憲法改正は国民のために国会が行う仕事であり、安倍政権とは関係ない。」と反論しましたが、野党がテーブルに着くことはありませんでした。最近、やっと野党の中にも憲法改正議論を拒むべきではないという主張が出てきたことから、最大野党の立憲民主党においても、「憲法改正議論そのものを拒んでいるわけではない。まず国民投票法の改正について決着させるべきだ。」という主張に変わってきました。
では、それ以前はどういう状況だったかというと、第1次安倍政権の時、国民投票法(憲法改正手続法)を制定する段階では、憲法改正絶対反対の共産党及び社民党を除いて、与野党間で憲法改正について議論を進めようという合意があったのです。その後与野党入れ替わりながらも、共社を除く全党参加する協議会方式で憲法改正の手続面の議論を進めてきました。その成果が、公務員個人にも憲法改正運動を認める国民投票法の改正であり、参政権を18歳以上に引き下げる公職選挙法の改正などであったのです。
野党は、憲法改正に関するTVコマーシャルの規制を主張しています。これに対して、与党は難色を示しています。憲法改正運動については、できるだけ自由に行えるよう規制をすべきでないと主張してきたのは、当の野党であったからです。しかし、TVコマーシャルが全く無制限でいいかどうかは、与党内にも議論があるところです。野党の主張をよく聞いて、理屈の通る話であれば、柔軟に対応する必要があります。その際、かねて与党が主張していた公務員の先導的な憲法改正運動の禁止についても、決着を付けるべきです。幾ら公務員個人の憲法改正運動を認めるとしても、公務員が先頭に立ってそれを指揮運営することは、公務の中立性に疑念を抱かれかねません。
もう一つは、与党公明党との関係です。公明党とは、与野党協議会の場等を通じ、憲法改正の手続面では自公協力して進めてきました。一方、憲法改正の具体的内容については、公明党はずっと与党間協議を控えてきました。「国会の憲法審査会の場で議論が成熟するのを待つべきだ。」と、同党は一貫して主張してきました。自民党の中には、「これまで全ての国政上の懸案について、与党公明党とまずよく議論して決めてきた。憲法改正だけ与党間の議論ができないというのはおかしい。」という意見もあります。憲法改正絶対反対の共産党、社民党の委員がいる憲法審査会の中で、憲法改正原案を取りまとめるのは至難であるという主張もあります。
これと関連して、「憲法改正原案」はどこで作るのかという問題があります。野党は憲法審査会で作るのが当然であるような主張をしていますが、国会法の規定はそうはなっていません。衆議院で100人、参議院で50人の賛同を得て憲法改正原案の案を議員提案できるのは、他の議員立法と変わるところはありません(通常の法案は、衆議院20人、参議院10人の賛同が必要)。まず憲法改正を推進する各党の協議会を設けて憲法改正原案の案を議論した上で、国会に提出する方が現実的な感じを持ちますが、与党は、野党の反発を恐れて踏み切れていません。この点について、自民党において、しっかりと議論すべきです。
マスコミは憲法改正勢力が3分の2を確保できるかということをよく議論しますが、仮に衆参両院で3分の2の勢力を確保できたとしても、何を憲法改正項目とするかの合意については更に困難を伴います。保利元憲法改正推進本部長は、「憲法改正は、らくだを針の穴に通すよりも難しい。」と、聖書の言葉を引用して話されました。自民党は、自衛隊の保持、緊急事態対応、参議院選挙区の合区の解消及び教育の充実についての4項目について憲法改正のたたき台素案をまとめています。党内においては、憲法改正項目として正式の手続を経ていないものの、一応の党内合意を得ている案です。
しかし、この案を一旦党外に持ち出すと、おそらく、憲法改正に賛成の政党からも多くの意見が寄せられることでしょう。それは民主主義を貫く上で仕方のないことであり、あらゆる知恵を振り絞って最大公約数を求めていかなければなりません。その上で、衆参両院で3分の2の憲法改正勢力を維持することは、まさに尋常の努力では達成できないことです。強力なリーダーシップの発揮と多くの国民を巻き込んだ支援体制の構築に期待しなければなりません。
参議院議員選挙を終えて(7月30日)
参議院大分県選挙区で落選しました。御支援を頂いた皆さんには、心からお詫び申し上げるとともに、衷心から感謝申し上げます。
安倍自民党総裁、二階幹事長以下党を挙げて、多くの国会議員にかつてないほどの応援態勢を敷いていただきました。
衛藤征士郎総合選対本部長、阿部英仁県連選対本部長には、全力で御尽力いただき、自民党市町村支部及び市町村後援会の皆さんにも、大変な御協力を頂きました。勝った市町村ではもとよりのこと、負けた市町村でもそのことは十分受けとめられます。
森竹治一総合後援会長始め各種友好団体の皆さん、個人後援会のいそざき陽輔新風会の皆さん、本当にありがとうございました。友党公明党及びその支援団体の皆さんからも、力強い御支援を頂きました。いずれも、かつてない規模の力の入れようだったと思います。
それにもかかわらず敗戦したのは、全て私の不徳の致すところであり、力不足努力不足によるものです。
敗戦は接戦の中でも陣営の誰もが予想していなかったことではありますが、私自身に悔いはありません。選挙期間中とても元気に遊説させていただきましたし、これだけの支援体制の中で負ければ、率直に言って仕方ありません。もちろん、自民党として、選挙戦略的に何が足りなかったのかきちんと分析する必要はあります。「選挙はスポーツとは違うのだから、負けて悔いがないと言っても、意味がない。」とすぐお叱りを受けそうですが、私の気持ちを正直にお伝えさせていただきました。
一方で、せん越な言い方かもしれませんが、国とのパイプ役という観点からは、大分県は、大きく基盤を失いました。大分県には5人しか自民党国会議員がいない中で、1人減るというのは大変なことです。なお、衛藤征士郎、岩屋毅の両代議士のほか、見事再選を果たしたベテランの衛藤晟一参議院議員がいます。こうした皆さんに引き続きがんばっていただけると思いますが、他方穴見陽一衆議院議員の勇退が既に決まっています。次期総選挙や3年後の参議院議員選挙を展望し、自民党がどう失地を回復していくことができるのか、真剣に検討する必要があります。
「敗軍の将、兵を語らず」とは言いますが、御質問もありますので、今回の選挙の概要について、簡単に説明します。大分県で、与野党の一騎打ちとなれば、歴史的にも厳しい接戦となることは当初から予測されており、今回の参議院議員選挙も正に接戦でした。「大分方式」と言って民主党と社民党の候補が交互に立候補する方法がかつてとられていましたが、今回は、野党が全国32の1人区で統一候補を立て、それに共産党までが参加する構造となりました。
従来、第1区(大分市中心部)の負けを第2区(県南西部)及び第3区(県北)の勝ちで取り戻して接戦を制するというのが、自民党の選挙でした。今回、大分市で、約1万票の負けというのは許容の範囲であり、過去の状況を見るとむしろ善戦したと言ってもいいのでしょう。別府市での5千票強の負けは、やや多い感がしますが、相手候補の出身地であることを考えればやむを得ないところでした。いつもであれば、この大分市、別府市での1万数千票の負けは、他の市町村の勝ちで十分取り返し得るはずだったのです。
ところが、その他の市町村では、いずれも接戦ではあったものの、私が勝ったのは佐伯市、津久見市、国東市、豊後高田市及び姫島村に限られ、日田市、中津市を始め多くの市町で負けました。これでは、勝ちようがありませんでした。相手候補は、大分市、別府市中心の選挙活動をしており、地方都市にはそれほど入っていないと聞いていました。それなのになぜこういう結果になったのか、今後の選挙のためによく分析しなければなりません。一つだけ指摘すれば、3年前の参議院議員選挙では、20万台後半の票の争いでした。それに対し、今回は、20万台前半の票の争いとなりました。投票率が大きく低下する中で、私たちの陣営が得票の最後の積上げができていなかったのではないかと、感じています。
選挙は民意の結果であり、謙虚に受け止めなければなりません。しかし、どういう意味の「民意」であったのかは、少し時間を掛けて考えたいと思います。今後のことは、自民党関係者や支援者の皆さんの意見をよく聴いて、考えていきます。
議員立法(4月25日)
言うまでもなく国会は「唯一の立法機関」であります。したがって、法律を成立させることが最も重要な国会の仕事です。しかし、実際には、成立したほとんどの法律は内閣提出の法案(これを「閣法」と呼びます。)であり、いわゆる議員立法の法律(これを「議法」と呼びます。)は相対的に少ない状況にあります。最近の10年間の状況を見ると、提出数は閣法(条約を含む。)1,053本、議法1,165本とむしろ議法の方が多いにもかかわらず、成立数では閣法865本、議法240本と議法が相当少なくなっています。提出数と成立数が直接リンクしているわけではありませんが、成立割合を単純に計算すると、閣法82.1%、議法20.6%と圧倒的な差があります。このほかに起案しながら提出までに至らなかった議法もたくさんあったことでしょう。
では、国会議員は議員立法をすることに余り熱心ではないのかというと、決してそんなことはありません。与野党を問わず多くの国会議員が、自らの政策を実現するため、党内グループで、あるいは超党派の議員連盟を結成して議員立法の立案に努力しているのです。それなのになぜ成立する議法が少ないかというと、国会に特有な議員立法のルールがあるからなのです。そのことについて、解説したいと思います。
議員立法の成案を得たときには、衆参のどちらかの院に法案を提出します。これには一定の賛同者(衆議院は20人、参議院は10人。ただし、予算措置が必要なものは、衆議院は50人、参議院は20人)が必要ですが、それほど大きな支障ではありません。しかし、法案を実際に所管の委員会で審議入りしてもらえるかというと、そこには高いハードルがあります。
まず、法案の所管委員会で、審議入りしてもらうことの意思決定が必要です。それを担保するため、各会派は、法案が提出されると自動的に議院運営委員会に趣旨説明要求(いわゆる「つるし」のこと。その解説は、
こちらを参照してください。)を提出し、とりあえず審議入りを阻止する手続を掛けます。そのため、所管委員会の理事会で審議入りについて同意し、議院運営委員会理事会で「つるし」を下ろしてもらわなければ、所管委員会での審議は始まらない仕組みとなっています。この「つるし」は各会派がその意思により提出できるので、各会派は、それぞれ審議入りに対する拒否権を有していることになります。
このことは閣法でも同じなのですが、閣法の場合は議院運営委員会の採決によって「つるし」を下ろすことも可能です。一方、議法の場合は、与党議員が提出しているものであっても、与党が党として提出しているまれな議法を除き、採決で「つるし」を下ろすことは原則ありません。私が国会議員になった頃は、もう少し審議入りの条件が緩やかだった気がしますが、最近では少なくとも所管委員会に理事を出している会派の一致した合意がないと普通審議入りの意思決定はできません。したがって、多数を有している与党の議法であっても、所管の委員会内で賛同が全会一致又はそれに準ずる状況にならないと、実際には審議に入れないのです。ましてや、野党提出の議法が与党の賛同を得て審議入りできるのは、極めてハードルが高い状況にあります。
所管委員会で、各会派の賛同が全会一致又はそれに近い状態の場合は、予定の提案者に変え、当該委員会の委員長を提案者とする「委員長提案」が行われます。委員長提案の場合は、意見の一致が前提となっているので、法案の実質質疑が省略される例となっています。一院で委員長提案の法律が本会議で可決されると、他院でも当該委員長が提案者として出席して委員会が開かれ、この場合も実質質疑が省略される例となっています。
与党グループの提出する議法の場合は、できるだけ野党の賛同を得るため、提出前に相当の時間を掛けて法案の修正協議が行われます。これが成功した場合は、その法案が所管委員会で審議入りし、可決される可能性が大きくなります。一方、野党が提出する議法の場合は、例外はありますが、政府与党に対抗する目的で提出されるものが多く、その場合は与党の賛同が得られず、「つるし」が下りないので、審議入りすることはまれになっています。その場合は、法案を提出したことそのものに意義を求めることになります。
こうした議員立法をめぐる仕組みには、大きな問題点が二つあります。第一に、与党グループが提出する議法は多数決で可決される可能性が高い法案であるにもかかわらず、野党が「つるし」の権利を有している中で、全会一致に近い状態になければ委員会で審議入りされません。このことは、多数決という民主主義の原理に反するものではないかという疑問があります。第二に、野党の提出する議法は、与党が賛同するまれな例を除き、原則法案の審議入りには至りません。国会は議論の場であり、否決される可能性が高い法案であっても、与野党できちんと議論することが民主主義のルールに沿うものではないかという疑問があります。正反対の方向から二つの疑問があるのです。
私は、国権の最高機関として有している立法権を自ら制限している現状は、おかしいと思います。議法についての国会議論をもっと活発にするため、議法の委員会での審議入りの要件をもっと緩和すべきであると考えます。特に衆議院と比べ政権と一定の距離を保つべき参議院において、その主要な役割を担うべきであると考えています。しかし、一方で、提出された議法の全てについて委員会で審議入りすることになると、審議時間の観点から、閣法など与党として優先的に成立させなければならない法案の審議に大きな影響を及ぼします。ここが難しいところなのです。したがって、どういう議法を優先的に審議入りするか交通整理をするためのルール作りが必要ですが、これが本当に難問です。このことについての私案は、次の機会に論じたいと思います。
【平成31年(2019年)】
6月10日(月)、参議院決算委員会締めくくり総括質疑で、安倍総理大臣、石田総務大臣及び根本厚生労働大臣に対し、中小企業の賃上げに対しては一定の要件の下に国が直接支援することを考えてはどうか、地方単独事業が大幅に減少しており地方における景気浮揚のためには増額を考えてはどうかなど、景気回復策について質問しました(大分合同新聞の「国会論戦」にも記事が掲載されています。)。
ビデオは、参議院のホームページから「決算委員会」6月10日を検索して御覧ください。

【平成31年(2019年)】
6月4日(火)、自民党本部で、総務部会消防議連合同会議が開催され、「消防防災ヘリコプターの安全運航の確保に関する小委員会」委員長として提言書を報告しました。長野県、群馬県での2年連続の墜落事故を受けてのものです。
4月8日(月)、自民党本部1階のCafeStaで「みどりの部屋」に出演し、松島みどり広報本部長と対談しました。
2月26日(火)、自由民主の「私の思わず食べたい推しメシ」に「大分県でも「りゅうきゅう」」が掲載されました。
1月23日(水)、大分合同新聞社朝刊に「2019国政展望」として私のインタビュー記事が掲載されました。
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