(平成29年(2017年))

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◇マイナンバーとマイナンバーカードの違い(1月12日)

マイナンバーとマイナンバーカードの違い(1月12日)

 マイナンバーとマイナンバーカードは機能的に全く異なるものだというと、驚かれると思いますが、実際そうなのです。

 マイナンバーカードの交付率はまだ1割に達していませんが、最終交付率が一桁台にとどまっていたかつての住民基本台帳カードに比べると取得者は増えつつあります。マイナンバーカードは将来健康保険証として使えるようにする方針であり、そうなれば取得者は相当増えてくるものと見込まれます。

 既に取得している人は、カードを見てもらうと分かりますが、カードの表面には基本4情報と呼ばれる氏名、住所、性別及び生年月日が記載されています。裏面には、薄墨の上で見にくいように12桁のマイナンバーが記載されています。だから、マイナンバーカードはマイナンバーを使うときのカードだと考えられるのももっともなことなのですが、必ずしもそうではないのです。

 まず、マイナンバーは、国や地方公共団体が、法律や条例の規定に基づいて、情報の連携を行うために用いるものです。年金事務などがその対象となっていますが、基本4情報との連携がその中心になります。例えば市役所に転居届をしたときには、自動的にその情報が他の行政機関にも伝わるというような機能があります。しかし、このことは法律や条例で決められていることなので、国民がそれを意識して手続をするというようなことは原則ありません。税務書類の提出に際し、マイナンバーの記載が求められますが、税務当局に既に書類にも記載されている基本4情報以外の情報が伝わるわけでもありません。

 マイナンバーは、本人の希望の有無にかかわらず、仮カード(紙カード)の交付という形で既に全ての国民に付与されています。マイナンバーカードを持っているかいないかは、関係ありません。マイナンバーの利用は、役所同士の情報の連携を通じて国民へのサービスの向上をもたらすものであり、個人の利用意思とは基本的に関係していません。もちろん、そのサービスを行う一環として窓口でマイナンバーを確認するためマイナンバーカードの提示を求められることはあり得ます。

 これに対して、マイナンバーカードは、個人の利用意思に基づくものです。だから、ICチップを搭載したカードの発行申請も任意とされています。まず、無条件に身分証明書として利用できます。公共機関であろうと民間機関であろうと、身分証明書として受付を拒否することはできません。「運転免許証でなければ駄目」などと言われることがあれば、関係行政機関にお問い合わせください。また、本人も、身分証明書として利用するときに、カード表面に記載されている基本4情報の提示を拒否することはできません。基本4情報は、個人を特定する場合に必要な最小限度の情報であるからです。

 このマイナンバーカードとしての利用には、マイナンバーは使わないのです。民間機関がカード裏面をコピーし、マイナンバーを使って名簿(リスト)を作成することは、法律で禁止されています。本人の同意を得てカード表面の基本4情報の提示を求めることだけができるのです。ただし、上記のマイナンバーによる情報連携手続として、一般の民間会社や保険証券会社などが、給与や配当金などの源泉徴収報告を税務署に行うため、従業員や顧客などに対してマイナンバーの提示を求めることは法律で認められています。

 マイナンバーカードとしての利用をより便利にするため、将来、一定の手続を経て、会員番号などをカードのICチップに搭載できるようになります。例えばビデオレンタル店の会員番号をICチップに搭載すると、当該レンタル店の会員証として使用することが可能となります。この場合も、飽くまで会員番号と基本4情報がビデオレンタル店に渡るだけであり、マイナンバーは使われません。民間会社がカードを利用すると他の大切な情報が漏れてしまうのではないかと心配する人もいますが、カードを民間会社のリーダー(読み取り機)に読ませたときにつながるコンピュータはその民間会社のコンピュータであり、決して政府のコンピュータにつながるわけではないのです。また、ICチップの中に重要な個人情報が格納されているわけでもありません。もちろん、民間利用をさせたくない人は、する必要はありません。

 政府がマイナンバーの管理を厳重にするように余りに強く勧奨したものだから、マイナンバーカードを紛失しないよう携帯することを控える人が多数います。政府は、源泉徴収等のため従業員や顧客など他人のマイナンバーを大量に管理する企業等に対して、それが全て流出するようなことになればマイナンバーの無効措置を大量に講じなければならなくなることから、厳重な管理を呼び掛けたものであります。もちろん、個人においても、マイナンバーの管理は厳重に越したことはありません。しかし、将来、マイナンバーカードは、健康保険証を始め民間利用を含め多様な用途に供するものであり、常に携帯してもらうことを想定しているのです。

 また、カードを紛失し他人にマイナンバーが知られたとしても、個人情報が直ちに流出するようなことはありません。政府の保有する個人情報は、従来どおりそれぞれの所管の役所ごとに分散管理されており、マイナンバーによってその人の個人情報が一覧的に取り出せるような仕組みにはなっていません。マスコミがマイナンバーの話をするとすぐに「情報の一元管理」と言うのは、全くのでたらめです。さらに、個別の個人情報についても、その情報を管理する権限を有する人しかコンピュータを操作することはできず、その場合であってもマイナンバーではない特殊な符号を介さないと個人情報にはアクセスできない仕組みとなっています。

 このように、マイナンバーとマイナンバーカードは異なるものなのです。マイナンバーの連携利用は法律で制限的に規定されていますが、マイナンバーカードの利用の方は将来の民間利用を含め用途をどんどん拡大していく考えですので、どうぞその違いについてよく理解していただきたいと思います。マイナンバーとマイナンバーカード、いずれも、仕組みは違いますが、ICT時代において国民の利便性を向上させる便利なツール(道具)です。どうか是非マイナンバーカードの交付申請に最寄りの市町村役場に出掛けていただきたいと思います。なお、交付手数料は、不要です。

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