佐川前理財局長へ告げる
(3月23日)

 あなたは、3月27日(火)、参議院衆議院両院に招致され、森友学園事件に関して証人として答弁を求められることになりました。
 あなたと私は直接の面識はありませんが、役所は違ってもほぼ同じ時期に霞が関に籍を置いていた者の一人として、お願いがあります。どうか、証言に当たっては、あなたの知っていることを洗いざらい明らかにしてください。

 同僚の国会議員が今一番心配していることは、あなたが刑事訴追を受ける可能性があることを盾にして何も語らず、国会の混乱に一層拍車を掛けることです。極東情勢は混迷を深めており、こうした一公有地の売却問題に多くの時間を掛けている余裕は、我が国にはありません。どうか本当のことを語っていただき、一刻も早く決着を付けようではありませんか。

 公文書の書き換えは許すことのできないことですが、それはあなたも十分承知のことだったはずです。しかし、刑事処分の話は、また違う話です。どうかそのことを盾としないでください。

 あなたが正直に発言した結果、本当に大変なことが起きるのであれば、私たちも覚悟しておかなければなりません。忖度(そんたく)云々の話は別にして、私は、森友学園事件に政治的介入はなかったと信じています。しかし、万一それが真実でなかったのならば、例えそれが安倍政権へ影響を与えるものであったとしても、私は覚悟を決めます。どうか本当のことを語ってください。

 公文書の書き換えは、賢明な太田理財局長が答弁しているように、あなたの答弁との整合性を保つために行われたのは事実でしょう。また、太田局長は、そのことについてあなたも知っていたとも答弁していますから、あなたの指示で書き換えが行われた考えるのが、役所の常識です。理財局以外の財務省のお役人が介在していたかは分かりませんが、私は、政治家が公文書の書き換えを指示するなどということは、あり得ないと思います。どこにどんな文書があるのか、政治家には知る由もないからです。

 もし何かがあったとしたならば、あなたが国会で答弁をした前後であったのではないかと、推察します。虚偽の答弁をしてしまったから、公文書の書き換えを行った。それは役所の判断で行ったことであり、私は、むしろその前にあなたがなぜ「政治家からの問合せは全くなかった」「籠池氏側との事前交渉はなかった」「関係文書は全て廃棄してしまった」とうその答弁をしてしまったのか、そこに鍵があると思います。どうかその理由を正直に教えてください。

 丁度去年の今頃だったでしょうか、森友学園問題について財務省理財局と国土交通省航空局の課長クラスのお役人を招き、説明を聞きました。その説明は、今国民の皆さんが知っていることとほぼ同じでした。お役人から「後からごみが出て来たので、その処分に要する額を算定して売却額から差し引いたこと」「今後更にごみが出て来ても瑕疵担保責任を負わない旨の契約を結んでいること」の説明がありました。私は、後に会計検査院からも指摘されることになるのですが、「ごみの量の算定の方法が少しアバウトじゃないか。」と指摘しました。

 もちろん、あなたも知っているとおり、処分費の算定がアバウトであるから直ちに公有地の売却が不正であったことになるわけではありません。ピッチャーが緩いへなちょこ球を投げたとしても、それがストライクゾーンを通過すればやはりストライクなのです。土地の売却交渉に当たっては、ストライクゾーン、すなわち裁量の幅はある程度広いのであって、そこにとどまっている限り売却が不正であったとは言えません。

 お役人の帰り際に「君の所(理財局)の局長は、答弁がちょっと勇ましすぎるのではないか。少し抑えた答弁にしておかないと、後々困るよ。そう局長に伝えておいてください。」と、話をしました。あなたの所には、多分そのことが伝わらなかったのかもしれませんね。今不運にも予想が当たってしまい、その時私からあなたに直接伝えれば良かったと悔いています。

 あなたには、いろいろな懸念があるのだろうと思います。人生にはいい時悪い時みんなにあります。しかし、これまで官僚として国家を支え、国家を動かしてきたあなたにとって、その真を完遂する途は、正直に全ての事実を明らかにすること以外にありません。あなたの証言を待っています。

公文書の書き換え問題について
(3月14日)

 財務省に保管されていた森友学園への公有地の売却に係る決裁文書が書き換えられていたことが判明しました。言語道断のことであり、弁解の余地は全くありません。
 かつて霞が関に籍を置いていた私にとっても、過去の決裁文書に手を加えるなどということは考えられないことであります。現在政府にいる身ではありますが、事態の重大性に鑑み、有権者の皆さんに自ら説明する必要があると考え、筆を執りました。

 この問題には、二つの局面があります。一つは、今指摘した公文書の書き換え問題です。もう一つは、公有地が適正に売却されたのかという問題です。この二つの問題は、分けて考えることが必要です。

 まず、公文書の書き換え問題については、今述べたように全く許されるものではなく、その責任者や実行者は、責任の程度に応じて断罪されるべきものです。しかも、それが国会提出文書であれば、国民の代表である国会の軽視であり、野党の指摘するように「民主主義への冒とく」であって、責任は更に重いと言わざるを得ません。事件の全容が解明された段階で、厳しい処分が行われるべきであります。
 その責任者は当時の佐川理財局長であったと麻生財務大臣が会見で述べており、私は、それを信じたいと思います。その上で、公文書の書き換えに直接関与していない管理監督の立場にあった人たちの責任の在り方については、今後、それぞれ自ら判断するとともに、国会でも議論されることになると考えています。

 もう一つの公有地が適正に売却されたのかという問題については、二つの観点があります。第一に、公有地の売却に関し政治家等から不当な働き掛けがあったのかということです。第二に、公有地売却そのものが適正に行われたのかということです。

 第一の点については、公文書の書き換えによってこの件について働き掛けをしていた複数の政治家等の氏名等が削除されていたのは事実です。しかし、それらの者から財務省に対して不当な働き掛けがあったかどうかは現在のところ不明であり、それがあったという証拠はありません。
 政治家として、関係者を役所に紹介することは、時折あることです。こうしたことは、政治家として許されないものではありません。不当なことを要求しない限り、それは不当な働き掛けではありません。
 公文書から政治家等の氏名等が削除されているのは役所側の忖度(そんたく)と指摘されるかもしれませんが、一方で、政治家等による不当ではない働き掛けまでが追及されるべきではないでしょう。

 第二の点、すなわち公有地売却そのものが適正に行われたのかという点が、実は一番重要な観点なのですが、衆参の予算委員会における与野党の質疑において必ずしも十分に詰め切ってはいない感じがします。忖度云々と言っても、仮に公有地の売却が適正に行われていたのであれば、それを議論する余地はほとんどないのです。
 森友学園用地は、大量の廃棄物が不法投棄された元沼沢地であり、そうした瑕疵(かし)ある物件の売却価格が更地価格を下回ることはよくあることです。私の地方勤務の経験でも、支障物の処理費の方が更地価格を大きく上回ったこともありました。したがって、更地価格より安く売ったことが、直ちに問題であるわけではありません。
 これまでの報道から、後になって更に大量のごみが発見され、籠池氏側から近畿財務局が強く迫られていたのも、事実でしょう。そうした中で、財務省がどういう判断をしたのかが焦点なのです。このことについて、財務省は、今後仮に新たな瑕疵(ごみ)が発見されても国は瑕疵担保責任を負わないことを条件に、売却額の大幅な減額を行ったと国会で説明しています。

 ここで疑問なのは、売却に不正がないのであればなぜ公文書の書き換えまでしなければならなかったのかということです。おそらく籠池氏側とは事前交渉をしていないとか、政治家の働き掛けはなかったとかいう答弁を国会でしてしまったからということだと推定しますが、全くお粗末な話です。最初からもっと真摯に事実に基づいた答弁をしていれば良かったのです。
 一方で、昨年会計検査院がこの事件について参議院議長に対して検査報告をしており、関係書類が既に処分され、断定はできないとしつつも、売却価格は適切ではなかったという趣旨のことを報告しています。こうした点が事実であるのかどうかが、重要な点であります。
 既に告発を受けて背任罪等により大阪地方検察庁が捜査に入っており、予断を持って議論をするのは難しい局面に入っていますが、まず公有地の売却が適正であったかどうかが事実として確定されなければなりません。仮に忖度云々の議論をするにしても、そのことが前提として分かっている必要があります。

 大きな事件になってきました。全ての関係者が事実に基づいて正直に発言し、その全容が徹底的に解明されることを望みます。


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