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私の主張

首相公選制
(9月22日)
1 子供の頃、総理大臣が替わるという話になったときに、テレビを見ると与党の自民党の人ばかりで議論しているのを不思議に思ったことがあります。長じて、政治の仕組みが分かってくると、アメリカの大統領や都道府県知事と比べても、日本の内閣総理大臣に敬意が払われていないのは、国民や住民が直接選挙していないからだと気付くようになりました。
  議院内閣制は、国民が国会議員を選出し、国会議員が内閣総理大臣を選出するという間接選挙の方式を採っています。しかし、国会における首班指名選挙では、議席の過半数を占める第一党の党首が選出されるのは当然であって、実質的な選挙戦が行われるわけではありません。そのため、勢い第一党の党首選挙の方に国民の関心が向けられるわけです。
政党は法的には私的団体であり、党首選挙について法の規制が行われていません。近年、自民党では、総裁公選規程を整備し、党員等による投票も組み入れた公明正大な方法で党首が選出される仕組みを設けています。過去、一部の幹部による密室談合で後継総裁が決められたと批判されたこともありました。
  そこで、政治の活性化を促すため、小泉純一郎元総理などにより首相公選制の導入が唱えられたことがあります。しかし、首相公選制を導入するためには憲法改正が必要であり、なかなか現実の政治日程に入れるのは困難でした。自民党が野党時代に策定した「憲法改正草案」でも、もちろん首相公選制が議論されましたが、この議論を始めると憲法の統治機構に関する多くの規定で改正案を練る必要が生じることから、否定も肯定もせず、別途議論することとされました。

2 首相公選制と天皇との関係が議論されることがあります。天皇の存在と大統領制は、なじまないという意見があります。しかし、首相公選制は、大統領制を目指すものではありません。このことは、はっきりさせておかなければなりません。飽くまで議院内閣制を維持した上で、内閣総理大臣の選出に限って国民が直接関与できる方式を採ろうということなのです。
  天皇は日本国の元首であり、天皇が内閣総理大臣を任命するという憲法の規定を堅持する限り、天皇の尊厳が損なわれることは全くありません。総理大臣の選出方法により天皇の尊厳に影響を与えると考えるほうが、むしろ不遜な見方でしょう。

3 とはいうものの、首相公選制と議院内閣制は、一見矛盾する制度です。この調和をどう図っていくかが、首相公選制導入の最大の課題になります。国会における第一党(国会には衆議院と参議院がありますが、このことは置いておきます。)の党首が首相公選で常に総理大臣に選出されていれば大きな問題は生じませんが、そうならないこともあるのが首相公選制です。総理大臣の所属政党と国会の多数党との間にねじれが生じることは、当然あり得るのです。アメリカでも、大統領の所属政党と議会の多数党がねじれていることは、よくあります。
  したがって、首相公選制を導入するだけでは、後の政治がうまく動きません。内閣総理大臣の所属政党と国会の多数党がねじれることもあることを前提として、内閣総理大臣ないしは政府と国会の関係を整理する新たな仕組みを考えなければなりません。地方では、首長制という大統領制を既に採っています。首長、すなわち都道府県知事や市町村長と議会の関係については、地方自治法に規定があり、そこにヒントがあります。また、首相公選制においては政府と国会がある程度協調する必要があり、その導入は、現状の与野党絶対対決のくびきから抜け出す契機になるかもしれません。

4 議院内閣制を維持した首相公選制とは、どのようなものになるのでしょうか。ここからは、幾つもの案があり得ます。
  まず、首相公選に立候補できるのは、国会議員でなければなりません(衆議院議員と参議院議員の関係の問題がありますが、置いておきます。)。ただし、誰でも立候補できるとするわけにはいかないので、一定の人数の国会議員の推薦を要件とすることになります。乱立を避けるため、推薦人の数はある程度の人数にする必要があります。当選には有効投票の過半数を得ることを条件とし、過半数を得た者がないときは上位2位までで決選投票を行うとするのが常識的でしょう。
  内閣総理大臣の任期は4年とし、解散時を除いて国会議員の議席を失わない限り、衆議院の総選挙の実施にかかわらず、継続するものとします。首相公選で選出された総理大臣が組織した内閣を衆議院の過半数で不信任とするわけにはいかないので、内閣不信任案は3分の2以上の賛成を要件とします(地方自治法は、4分の3)。内閣は、衆議院で内閣不信任案が可決されたときは、現行どおり衆議院の解散を決定することができますが、総選挙後の特別国会で内閣不信任案が再び可決されたとき(このときの要件は、過半数)は、内閣総理大臣は辞任しなければならないものとします。一方、いわゆる7条解散、内閣の助言と承認を根拠とする解散は、できないこととすべきでしょう。これにより、衆議院議員の4年の任期は全うされる可能性が大きくなります。
  内閣総理大臣に拒否権(再議権)を与えるべきかどうかの議論があります。地方自治法では、首長に議会の議決に対しての再議権が認められており、再議を求めたときは3分の2以上の賛成による再議決が必要となります。消極的な調整手段は拒否権を認めることで可能ですが、ねじれ国会の中で予算案の可決等政府の施策を実現するための積極的な調整手段は、法制的に難しいものがあります。与野党で、国民の負託に応えるにはどうしたらいいのか、知恵を絞らなければなりません。
  閣僚の過半数は国会議員を充てるなど内閣の組織については、現行どおりで良いでしょう。ただし、緊急事態に備え、常設専任の内閣副総理大臣を置くこととしたほうが良いかもしれません。

5 ここまでの解説で御理解いただいたと思いますが、首相公選制を導入するには、最低でもかなりの項目の憲法改正が必要になります。ただでさえ憲法改正には大きな困難が伴うので、実現可能性が十分あるとは言えないでしょう。しかし、野党にとっても、国会で多数が得られなくても、国民の支持を得られる統一候補を担げば政権を得る可能性が出てきます。また、衆議院議員の任期4年を全うする可能性が大きくなるのも、メリットでしょう。議論の糸口は、あると考えます。
  一方、与党の方も、国民の支持を得やすい候補を担がなければならなくなるでしょう。そうした中で、首相公選の候補者(総理)と党の総裁を別の人にする総総分離論も出てくるものと考えられます。

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「私の主張」(既掲)

第2次安倍政権の功罪
(9月19日)

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礒崎陽輔